コラム

フィリピンにおける財務管理に関するコラム

  1. 財務全般に関するご相談の増加

昨今、グループ会社における経営環境の変化により、経営管理、特に財務管理に関するご相談が増加しています。また、税制改革第2弾「CITIRA法案」により、既存のビジネスモデルへの影響が予想され、現地法人の責任者は今よりも経営者としての役割が要求される場面が多くなると考えられます。12月決算法人の会社は監査法人とのプランニングミーティングも始まるため、改めて自社の決算内容を見直したりするケースもあるかと存じます。そこで、今回より会社の財務に関するコラムをお伝えしていきます。

 

2.具体的な相談内容

多種多様な課題に対する相談がございますが、大きくまとめますと、下記に集約されます。

・自社の状況を把握するためのわかりやすい経営指標を教えてほしい

・親会社や特定の得意先への売上割合を減少し、フィリピン国内市場に向けた新規開拓を行いたい

・製品・商品別の収益性の管理・分析を行いたい

・生産・販路拡大が見込まれるため、資金繰りを改善したい

 

上記の課題を解決するためには、自社の正しい数字(財務状況)を把握することが最も重要です。また、フィリピンにおいては、ほぼ全ての企業に会計監査(Audit)が義務付けられていますが、信頼のおける監査法人を利用しているかどうかの確認もしたほうがよいと考えられます。

3.財務関連の計算書類のポイント

財務管理のポイントはまず自社の下記の計算書類を確認することから始まります。

計算書類名 記載内容 管理項目のポイント フィリピンの特有事項
貸借対照表

Balance Sheet

会社の財産・債務(調達方法)・純資産の状況 債権債務管理、在庫管理、固定資産管理、純資産価格(株価) 適正な機能通貨の使用、資本項目はGISとの整合性を確認、不当留保金課税の回避
損益計算書

Income Statement

会社の売上、費用、利益の状況 売上推移、人件費管理、経費管理、配当金と内部留保の管理 親会社との取引価格等の見直し、最低賃金の確認、不正取引の有無の確認、税務申告書との差異確認
キャッシュフロー計算書

Cash Flow Statement

会社のお金の流れの状況 資金残高の管理、フリーキャッシュフロー管理 営業運転資金の確認、銀行借入、親子ローン、フィリピン企業との資本提携

 

4.会計帳簿の重要性

会計帳簿には、経営者や会社のあらゆる意思決定が数値として表現されます。そしてそれを元に、その意思決定が正しかったのか、間違っていたのかを確認し、その原因を見直し、次の施策を決定するということが重要です。会計帳簿はその元となる資料で、意思決定をするための重要な資料となるということを認識する必要があります。

 

  1. 次回以降について

昨今の具体的な相談内容に基づき、下記のコラムを予定しています。

– 必要売上高や損益目標の設定方法

– 売上高の管理方法と固定費の考え方

– キャッシュフローと営業運転資金の考え方

 

本記載事項は事業運営上の参考としての内容であり、法律、許認可、税制、社会保険、その他の法令を解説するものではなく、その内容について何ら保証するものではありません。

 

   

 -

  おすすめの記事

    関連記事はありませんでした

© JAPAN QUALITY BUSINESS SOLUTIONS INC. All Rights Reserved.

PAGE TOP